原点に帰る
福島の事故以降、国の原子力政策が180度変化してしまい、上関原発建設計画も暗礁に乗り上げたままです。
埋立免許についても、6月山口県議会で二井知事は「延長は認められない」と発言していました。
この30年余り上関町は、原子力発電所建設問題と向き合ってきました。30年前になぜ原子力発電所を誘致したのか?先輩方に聞き私なりに分析してみました。
1.上関町の将来を見据えた場合、何らかの対策(企業誘致など)をしないと過疎高齢化になってしまう。
2.原子力発電所を誘致することにより、国からの交付金で上関町のインフラ整備が行える。
3.原子力発電所が完成した暁には、発電所の固定資産税が町の財源となり、未来永劫ではないが20年程度は安定した行財政運営となる。
4.原子力発電所建設に伴い、町内外の商工業者に仕事が廻ってきて、上関町ダケではなく近隣市町の経済効果にも寄与できる。
5.原子力発電所完成後、そこで働く雇用が生まれ、上関町の若者の雇用対策、Uターン、Iターン、を町として促進できる。それにより町の人口減少の抑制や少子高齢化対策にもつなげられる。
などなど.....
しかし、このようなメリットばかりではなく、原子力に対しての不安もあるハズです。そこで不安などなかったか聞いてみました。
1.原子力発電所ができることによって、上関町の魚介類や農産物が売れなくなってしまうのではないか。(風評被害などによって)
2.子どもたちが発電所がある町に住んでいるといって、放射能に対する偏見から差別などを受けることがないか。
3.発電所の事故はナイのか。
4.企業は「地域と共に発展を!」とは言っているものの、本当に地元町民の暮らしがよくなるのだろうか。
などなど.....
上関町の未来を見据え、さまざまなことを考えたうえで諸先輩方は苦渋の決断をし、最終的に原子力発電所誘致に至ったのではないか!と推測しました。
今現在、原子力発電所に対して賛否両論あり、国を2分する議論となっています。上記のことを考えると、原子力発電所を誘致することは未来の上関町にとって必要不可欠になる!との結論に至りました。
上関町以外の方々に私のこの考え方を理解していただくには、今現在無理なのかもしれません。しかし、上関町の未来や生活を維持し反映させていくには、今のところ原子力発電所の誘致しか方法が見つかりません。上関町には時間がありません。トロトロ今から考えている間に人口は見る見るうちに減少し、65歳以上の人口比率が80%になるまでに、そう時間はかからないでしょう。そうなってからでは遅いのです。今ならまだ間に合うギリギリの時なのです。
しかしながら、今後の原子力政策は私たちでは決められません。国の判断を待つしかないのが現実です。時の政権は、世界情勢、国内事情、国民世論などいろいろな影響力に左右されますが、今まで上関町が30年余り国策に対する協力をしてきたことも踏まえていただき、より良い結論を早期に提示していただければと思っています。