聞こえる声と聞こえぬ声
官邸前で再稼働反対活動をしていた人たちの一部が、野田総理と意見交換を行ったようです。この会談自体、私は疑問を感じています。デモっている連中が通常より多いからといって、安易に日本のトップが、その連中の意見を聞く!ということはどうでしょう?このような事例ができてしまうと、官邸前である程度の人数を集めて、定期的にデモっていたら、時の総理と意見交換ができる!というシナリオができかねません。まあ100歩譲って、今の風潮やマスコミ報道を見れば、仕方がないことなのかもしれませんが、野田総理にはコレっきりにしていただきたいものです。
現在も議論が続く原子力比率については、ゼロから25%のシナリオを政府がつくり、討論型世論調査やパブリックコメントなどを行いましたが、その結果、新聞やマスコミ報道を見る限り、ゼロシナリオの支持が多いように見えます。
「この結果が全ての国民世論なのだ!」的な報道が各メディアで見て取れますが、本当にそうなのでしょうか?
今ここに出てきている世論結果というのは、声を出している国民の意見ダケであって、声を出したくても出せない意見は含まれていないのではないでしょうか!
今は原子力推進、または賛成といった言動を行うと、今までのマスコミ誘導によってつくられた風潮により、非国民的な扱いを受けてしまう現実があるように思えます。
今現在、既存の原子力発電所を立地している県や町の方々も、直ちに原発ゼロシナリオなのでしょうか?私はそうではないと思います。
現実、原子力関係で生計を立てている人が立地地域には多くいるはずです。その方々はゼロになることによって職を失ってしまいます。誰も職は失いたくありません。背に腹は変えられない現実が立地地域にはあるはずです。もしもこの世論結果ダケを踏まえて原子力をゼロにするのであれば、その多くの人たちの雇用対策も踏まえて結論を出す必要があるのではないでしょうか!
私が書かなくても、このようなことも考えていただいているとは思いますが、野田総理には、声を出したくても出せない、また聞こえてこない声も十分踏まえていただいて、冷静かつ現実的な今後のエネルギー政策をまとめていただきたいと思います。