上関原子力発電所 追加地質調査に係る敷地内ボーリング調査
先月、中国電力が、上関原子力発電所の建設予定地内で、ボーリング調査を実施すると発表しました。中国電力は、これまでにもボーリング調査や海域の音波探査などさまざまな調査を実施しており、それらの結果から、敷地内にある断層は後期更新世(約12~13万年前)以降活動しておらず、原子力発電所の耐震設計上考慮すべき活断層には該当しないと評価しています。
ではなぜこの時期に再度調査を行うのでしょう。
今回の調査は、伊方発電所3号機や島根原子力発電所2号機など、他の原子力発電所の安全審査で実際に用いられ、有効とされた手法を用いて行われます。こうした新たな手法により、これまでのデータを補強することで、断層の活動性評価に万全を期すということです。
地震への対応については、福島第一原子力発電所の事故以降、特に重要な部分になっています。上関原子力発電所が新たな知見を取り入れ安全な発電所となるよう、中国電力にはしっかりとした調査をお願いしたいですし、こうした取組みを継続していくことが安心にもつながっていくと思います。
多くの上関町民は、一日も早い準備工事の再開を望んでいます。しかし、今回の調査は、準備工事の再開など、目に見える形で建設計画の進展に直結するものではないでしょう。発電所の建設を進めるためには、国レベルでエネルギー政策を十分に議論し、原子力発電所の新増設がしっかりと位置付けられる必要があると思います。今年はエネルギー基本計画見直しの年と言われています。私たちは、そうした議論が進んでいくことを期待しています。