事務局より

原発のごみ処分を考える会(福井県鯖江市)意見交換

上関町青壮年連絡協議会の柏田さんのところに、柏田さんと親交のある、松江エネルギー研究会の石原孝子さまから以下のような連絡がありました。

石原氏:「福井県鯖江市にある『原発のごみ処分を考える会』が10月6日に、島根原子力発電所見学と勉強会に行うこととなった。この勉強会で、中間貯蔵施設の調査・検討を受け入れた上関町の状況を話して欲しい」

この話を受け、上関町青壮年連絡協議会から柏田さん他1名と上関町まちづくり連絡協議会の事務局長の計3名で、松江市の島根県民会館に行ってきました。

『原発のごみ処分を考える会』とは、原子力発電所の稼働如何に係わらず、原子力発電所で使用した使用済燃料から、再処理する際に発生する高レベル放射性廃棄物について、どこに、どう処分するのか、未だに決まっていないことについて、この現状をもっと多くの方々に知っていただき、原子力発電の賛否にかかわらず、県民皆でこの課題について話し合っていけるような気運をつくりだしていければ、との思いで2017年に鯖江市の有志で結成された会との事で、この日は、学生2名と大人7名が参加されました。

この勉強会には、フリージャーナリストの井内千穂氏も参加。また、2018年に上関町でのエネルギー講演会で講師を務めた東京工業大学の澤田哲夫氏がファシリテーターを務めました。

勉強会では、初めにホスト役の松江エネルギー研究会 石原孝子氏が『原子力発電所と島根県松江市の歴史的背景について』と題し講演。

・島根原子力発電所の所在地はもともと島根県の旧鹿島町でしたが、平成の大合併で松江市になった。そのためか、松江市民の多くは無関心であり、原子力発電所の恩恵を受けている松江市民が無関心ではいけないと思い、年に何回か発電所見学を行っている。

といったお話をされました。

 

そして、上関町議会議員 柏田真一氏による『中間貯蔵施設に係る上関町の現状について』では、中間貯蔵施設調査・検討に至った経緯を以下のようにお話されました。

・過疎高齢化による著しい人口減少により上関町の現状は大変厳しい状況の中、昨年の12月議会において、複数の議員から原子力発電所の今後の見通しを問う声が上がり、町長より中国電力へその旨が伝えられた。

・中国電力からの答えは「現時点で上関原子力の見通しについてお示しすることはできない」とのこと。町長は、中国電力に対し、「このままでは町は立ち行かない。待ったなしの財政難の状況の中、地域振興につながる施策を真剣に考えてほしい」との要望を行なった。

・それを受け、8月2日に中国電力より中間貯蔵施設の建設に向けての調査・検討の申し出があった。町長は、8月18日に臨時議会を招集し全議員の意見を聞いたうえで、条件を付け「調査・検討」を受け入れた。

 

最後に行われた意見交換会では、鯖江市の方からの「中間貯蔵施設への反発はなかったのか?」との問いに、柏田氏は「もともと上関町民の多くは原子力発電所建設に推進なので、原子力関連に関しては、理解はある」「昨年秋に行われた町長選挙においても原子力選挙となり、推進を掲げる西町長が7割の得票で当選している」と回答。

また、「今後の活動は、どうするのか?」と言う問いに対して町連協は、「中国電力は、社員による上関町内での個別説明を行っており、それと並行して地域や各団体へ説明会が行われている。今後、より多くの方々に先進地の視察に行ってもらい、安全性等の確認や理解を深めてもらう活動を行う計画。当会としても自ら勉強するとともに、町内への理解活動を行っていきたい」と回答しました。
 

最後にファシリテーター役の澤田哲生氏が、「福井県民は、原子力の恩恵を受けているのは事実であり、鯖江市にお住まいの方はもっと応援しても良いのではないか。上関町での中間貯蔵施設への計画が進めば、上関町でこのような会を行うなど、引き続きより理解を深める活動を行ってもらいたい」とのお言葉がありました。

以上                                 

TOP