錦城神楽団の特別公演を観覧しました
12/20(土)、暖かい日差しが心地よい午後、上関町総合文化センターで広島県安芸高田市から来られた錦城神楽団の公演が行われました。
上関での同神楽団の公演は2019年からはじまったもので、昨年に続き、今回で3回目となります。
今回の演目は「土蜘蛛」と「八岐大蛇」。会場には町内外から、子供からお年寄りまでさまざまな方が集まっていました。
はじめの演目「土蜘蛛」では源頼光が、病にかかり、侍女に山から良薬を持ち帰るよう頼みますが、実はその侍女は土蜘蛛が化けた偽もの。薬の代わりに毒を飲ませれ、危ういところを何とか切り抜け、四天王に土蜘蛛の討伐を依頼するという物語で、それぞれ魅力的な登場人物の演舞に魅入られます。

次の演目「八岐大蛇」では天から追放された須佐之男命が、大蛇の生贄に捧げられる姫を助けるために8つの頭と尾を持つ八岐大蛇を、酒を飲ませて退治するというお話で、大蛇のダイナミックな形態の変化と神さまとの戦いが見物です。

特に八岐大蛇では、舞台からだけでなく、会場内の横の入り口からも大蛇が登場したり、上関のネタもセリフへ織り込んで観客を沸かせたりなど、色々な工夫がされて楽しませてもらいました。
各演目、約1時間でしたが、この間、鳴らしつづける笛や太鼓のお囃子、それに合わせた、雅で豪華な衣装を身にまとった演者の皆さんの見事な演舞に終始圧倒されました。仕事の傍ら、演奏や演舞の練習をどれだけ積み重ねておられるのか、そしてそれを支える裏方の皆さんの見えない努力に感服するばかりです。
安芸高田市美土里町は人口約2千人で、そのうちの10人に一人が何らかの形で神楽に関わり、この広島県無形民俗文化財の継承を支えているそうです。
錦城神楽団の皆さん、素敵な公演をありがとうございました!
この素晴らしい日本の文化が今後も輝き続けることを祈っています。

