幻想
現在、日本における原子力政策に対して世論が二つに割れています。原子力発電の安全性に対する不安、また原子力発電ナシで生活が立ちゆくのか、という将来不安など…..
当然のことですが、福島の事故による悲惨な現状や今なお避難を余儀なくされている方々の気持ちを思えば、原子力発電への不信感、また憎悪、嫌悪感はぬぐえないでしょう。このことは、私たち推進する者は重々承知しています。
しかし、日本全体に目を向けた場合、原子力発電の停止に伴う経済的リスクの大きさについても、無視はできないと思います。現実、輸入する化石燃料代に年間3兆円余り日本のお金が海外へ流出しています。その分家庭や企業の電気料金が上がり、それぞれの生活や経営を圧迫していきます。
企業は海外へ出て行き、それに付随して雇用も無くなっていくでしょう。日本のエネルギー安全保障も危うくなってしまうでしょう。
こういったことを言えば、よくマスメディアから聞こえてくるように、反原子力、原子力アレルギーの方々は揃ってこう言うでしょう。「経済を優先して安全をないがしろにする。命のほうが大切。子どもたちの未来を潰すのか」と….
本当にそうなのでしょうか!私は、経済活動自体も生活や命と変わらないのではないかと思います。もしも働く場を失えば家計が苦しくなって生活ができなくなります。またそれによって命を脅かします。化石燃料に依存しすぎて、地球温暖化や大気汚染を誘発し、原子力事故以上に健康被害を及ぼすかもしれません。また、日本経済の弱体化は、子どもたちの明るい未来を奪ってしまうかもしれない。あくまでも予測ですが!
私は原子力発電の停止に伴うリスクは、決して小さいものではナイと思います。「原子力さえ止めておけば命や生活を守れる」といった幻想は、今おかれている現実を見ずに、ただ単に反原子力、原子力アレルギーの方の空論でしかナイと思います。
今後の原子力政策については、賛否両論あって良いと思います。ただ、冷静かつ現実的な議論を行っていただきたい。決して今の感情だけに流されることの無いように……….