国の新たな「革新的エネルギー・環境戦略」について
9月14日、政府により原子力ゼロを目指す「革新的エネルギー・環境戦略」が策定され、「原子力発電所の新設・増設は行わない」との方針が打ち出されました。
私たち多くの町民は、建設計画の浮上から30年に亘って国策を信じて、これまで協力してきただけに、このたびの戦略決定は、まさに裏切られた思いであり、強い憤りさえ感じています。
「原子力ゼロ」とする方針については、「省エネや再生可能エネルギーの実現可能性」「電気料金の値上げ」「地球温暖化対策」など、さまざまな課題を克服していく必要があり、その影響に対する懸念の声が数多く上がる中、十分な議論がなされないまま策定されたのではないかと思われます。
福島第一原子力発電所での事故以降、多くの国民が原子力発電所の安全性に対して漠然とした不安感を抱いていることは十分理解していますが、今後の再稼働に向けた安全基準に関する議論もこれからという状況の中で、「新増設は行わない」という方針が一方的に決められたことは納得できません。
事故をもって危険と決め付けるのではなく、どうすれば安全な発電所ができるかを考えていくことが必要だと思います。上関原子力発電所も新たな対策をしっかり盛り込み、より安全性の高い発電所になるはずです。
さらに、「新増設は行わない」と言いながら、一夜明ければ、大間・島根3号機は建設・運転を認めています。それでは、国のエネルギー政策に組み込まれ、現在は福島の事故を受け一時中断しているものの、建設に向けた準備工事に着手している上関原子力発電所も同じように扱われるのが筋ではないでしょうか。
過疎・高齢化の進展が著しい上関町では、上関原子力発電所の建設がなければ「普通の暮らし」でさえ維持していくことは大変難しく、今後の先行きに大きな不安を抱えています。
こうした中、多くの町民は、引き続き、原子力発電所の建設を契機とした町づくりを切に願っており、今後、我々としても諦めずに安全・安心な発電所の早期建設を願い、それに向け活動を行っていきたいと考えています。