東京電力の対応
先日、柏崎刈羽原子力発電所6・7号機の再稼動に向けた動きが報道されていました。東京電力の対応に新潟県知事が猛反発しているとの内容です。はじめて聞いた時は、事前に地元に対して何ら相談もなく、東電が配慮に欠ける軽率な行為をしたと思い、残念でなりませんでしたが、どうやら別の見方も出てきているようです。
7月10日の日経新聞に「迫真背水国有東電2『命運握る首長』」という記事が載っていました。もちろん、報道されている内容がすべて事実かどうかはわかりませんが、その記事を読む限りでは、「東電側が一方的に悪い」とは言い切れないと思えるのです。
新潟県の泉田知事は、「福島第1原発の事故の検証なくして、再稼働の議論はしない」と公言されるなど、再稼働に対しては非常に厳しい姿勢でした。記事によると、東電の複数の幹部が「もっと以前から知事に会いたいと打診していた」と明かしており、知事が事前会談を嫌ったことで、東電の「独りよがり」とも見えた記者会見を行ったようなのです。3期連続の赤字回避が必須となっている東電としては、本意ではなかったものの、やむなく「安全審査を早く申請したい」という自らの姿勢を、せめて明確に示したかったということなのではないでしょうか。
ここで、私が思うのは、この一連の報道について、柏崎の住民の皆さんはどう思っておられるのかということです。現在の状況では「命かお金か」という極論をぶつけてくる人も多く、再稼働ともなれば、それこそ多くのバッシングを受けるかもしれません。しかし、命を守るため、安全を確保するため、国による厳しい安全基準が設けられたのです。そもそも科学技術が「悪」なのではなく、その科学技術を扱う人間がどう成長すべきかを皆で考える時なのではないでしょうか。
もしも、地元に再稼働を切に望む方々がたくさんおられるのであれば、勇気をもって声を上げるということも必要です。厳しいことかもしれませんが、そのことが、必ずや地域の発展、活性化に繋がっていくと私は思います。