3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所での事故を受け、最近、町外の方から当協議会に「将来を考え、原子力発電は推進すべきではない」といったご意見をお電話やお手紙でいただくことがあります。皆さまから頂戴した一つ一つのご意見にお答えすることは難しいため、「上関町まちづくり連絡協議会」としての考えを以下のとおりお伝えしたいと存じます。
まず、このたびの震災により、被災された皆さまへ改めて心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。地震・津波によって皆さまの故郷に大きな被害が出るとともに、多くの方が今も避難所や仮設住宅で大変な苦労をされておられるとのことで、一日も早く故郷が復旧・復興し、安心して暮らせる生活を取り戻されることを心から祈念するとともに、私たちも出来る限りのご協力やご支援をしていきたいと考えております。
大震災に伴う津波によって発生した福島第一原子力発電所での事故は、原子力発電の潜在的な危険性を改めて示すものとなり、上関町内に原電立地を望む私たちにとっても衝撃的な出来事でした。
事業者である東京電力では、現在も原子炉の安定冷却に向けた懸命な作業を続けているとのことで、現場で作業に従事される方のご安全と、一刻も早い事故の収束を願っております。
上関町が原電の誘致を表明したのが昭和57年です。水や土地もなく、アクセスも不便な町内には、柱となる産業がないために若者が職を求めて町外へ転出する状況が今も続いており、現在では県内一の高齢化率(約48%)となりました。原電誘致は、そうした上関町の生き残りをかけた私たちの決断でした。
それから約30年、私たちは私たちなりに原子力発電について勉強をしてきました。誘致によって様々な形で雇用の場が確保され、交付金等による町の活性化に大きな期待を寄せていることはもちろんですが、この小さな町に、多くの人々の暮らしや産業を支える重要な施設ができるのだという、ある種の誇りを持って取り組んでまいりました。
私たちは、原電立地を契機とした豊かな町づくりの引き換えに、安心して暮らせないようになることは決して望んでいません。
しかし、福島での事故を教訓として、更に安全性を高めることは可能ですし、これから建設する上関原子力発電所では、既存の原子力発電所と違い、設計段階から安全対策を織り込めると考えています。万が一、発電所で事故が発生すれば、最も大きな被害を受けるのは私たちであり、計画を進める中国電力には、このたびの事故を真摯に受け止めて、安心のために出来ることは全て実施することを求めると同時に、今後とも地元に住む私たちにわかりやすく説明することを強く訴えていきたいと考えています。
いずれにしましても、上関原子力発電所を含めた原子力発電の必要性や安全性について考えるにあたっては、不確かな情報や感情に基づいて議論しても、正しい方向性は見出せないと思います。事故原因の究明も緒に就いたところであり、今は、その推移を冷静に見守りたいと考えています。
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