上関みらい通信Blog

 6月17日、広島市中区のJAビルで、「全国シンポジウム いま改めて考えよう地層処分 ~科学的特性マップの提示に向けて~ in広島」が開催されました。このシンポジウムは、資源エネルギー庁とNUMO(原子力発電環境整備機構)が主催し、全国各地で行われています。今回の定員は先着200名でしたが、会場内の席は、ほとんど埋め尽くされており、関心の高さをうかがわせました。

 シンポジウムでは、原子力発電所の運転に伴い発生する高レベル放射性廃棄物を、将来世代に先送りせず、安全に処分する必要がある事、および、その処分方法として、地下深くの安定した岩盤に埋める「地層処分」が最良と考えられている事について説明がありました。
 「地層処分」では、2種類のバリアを利用して高レベル放射性廃棄物を処分します。1つは、高レベル放射性廃棄物を安定的に閉じ込めるガラス固化体、そのガラス固化体を包み込むオーバーパック、さらに、オーバーパックを包み込む緩衝材で構成された「人工バリア」。もう1つは、地下300m以深の安定した岩盤による「天然バリア」です。これら2つを組み合わせた「多重バリアシステム」によって、超長期にわたって放射性物質を人間の生活環境から隔離することができます。
 この「地層処分」を実現するために、現在、国が、「地層処分」の「科学的有望地」を提示する、「科学的特性マップ」を作成しています。このマップを広く提示することで、処分場所を選ぶときにどのような科学的特性を考慮する必要があるのか等、一般の方々の不安の解消に役立つと期待されています。

 説明後には、パネルディスカッションが行われ、野波寛氏(関西学院大学社会学部教授)、蛯沢勝三氏(東京都市大学客員教授)、宮本岩男氏(資源エネルギー庁)、小野剛氏(NUMO)の4名のパネリストが、それぞれの立場で意見、見解を発表した後、会場全体の質疑応答が行われました。
 質疑応答では、地層処分の安全性に対する質問が多く、中には、原子力発電自体を中止にしてはという意見もありました。しかし、現時点で、高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)は存在しており、これらを何らかの方法で処分する必要があるのは明らかです。このシンポジウムを通して、高レベル放射性廃棄物の処分を私たち世代の問題として受け止めることが大切だと感じています。

 現在、原子力発電は、重要なベースロード電源と位置づけられており、2030年には電力の20~22%程度を原子力発電により賄うこととしています。また、ここ数年、原子力規制委員会による厳しい審査をクリアした原子力発電所の再稼働が進んでいます。高レベル放射能廃棄物の最終処分に対する理解や関心の高まりが、再稼働へのより一層の理解はもちろん、新増設へ向けた活発な議論へ繋がっていくことを期待します。
 そして、一日も早い、上関原子力発電所建設準備工事の再開を願っています。

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